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大麦で生活習慣病を予防しよう!
 

1.大麦の生理作用
1)血中コレステロールに対する作用
 食物繊維の研究が活発になってから、大麦の成分を分けてラットに投与して、水溶性食物繊維部分にコレステロール低下作用のあることが確認されました。とくに大麦のβ-グルカンといわれる水溶性成分が注目されています。
そこで私たちは実際に人で効果があることを明らかにするために3つの実験を行いました。私たちの実験では人に1日2回、5割の麦飯(米粒麦を使用)を食べてもらいました。その結果、とくにコレステロールが高くない正常な人では血中コレステロールの変化はわずかでした。ところが、血中コレステロールの高い高脂血症の人では、血中コレステロールの高い人ほどコレステロールが低下することを確認しました
(2)。正常な人と高脂血症の人による結果は図1に示しました。
米国ではオート麦に血中コレステロール低下作用のあることが広く認められ、オート麦を含む食品(例えばオートミールなど)ではコレステロールが下がることを表示することができます。千葉大学のグループは大麦、オート麦の水溶性食物繊維のコレステロール低下作用を比較して、大麦の方が効果が強いことを発表しています
(3)






図1 人における血中コレステロールの麦飯による低下

2)血糖値に対する作用
 私たちは実験的に糖尿病にしたラットに大麦、玄米、小麦ふすまの飼料を摂取させたところ、大麦を摂取したラットでは糖尿病状態が著しく改善することを確認しました。佐藤先生ら(名古屋大学)はこの結果を受けて、血糖値が正常な人と糖尿病患者にブドウ糖、白米、大麦を食べさせた後の血糖値の変化を観察しました
(4)。正常な人でも糖尿病患者でも、大麦を食べた後の血糖値は上がりにくいことがわかりました。
通常、食後は血糖値があがりますが、正常な人では膵臓からインスリンが出て、血糖値を下げるようにします。糖尿病患者や耐糖能が低い(糖尿病ではないが、食後血糖値が高めで、糖尿病予備軍ともいわれる)人ではインスリンの作用が弱く、血糖値が高いままで下がりにくくなっています。佐藤先生らの研究では大麦を食べた後ではインスリンの分泌も少ないことを示しました。インスリンが少ない量で血糖値が維持されることが望ましいとされています。図2と図3は正常な人と糖尿病患者の方がブドウ糖を飲んだとき、白米を食べたとき、大麦を食べたときの血糖値の変化を示しています。
その後、佐藤先生は糖尿病患者に継続的に麦飯を食べさせた結果、血糖値が改善することも確認しています。



 トロント大学のジェンキンス博士は糖質を含む食品を摂取後の血糖値は、食品の種類によって異なるところからその区別をグリセミックインデックス(GI)という概念で示すことを提案しました(5)。白いパンを摂取したときの血糖値の変化をグラフにして面積を出し、これを基準として各食品の血糖値面積を百分率で示しました。ジェンキンス博士のデータでは大麦のGIはきわめて低く、白いパンを100とすると、大麦は31となっています。その他の食品と比較したものを図4に示しました。

3)大腸に対する作用
 食物繊維の作用として大腸に対するものがあります。大腸はまず糞便を形成します。糞便は食物の消化残渣に加えて、消化管に分泌された消化液や消化管の表面の剥がれた細胞、そして大量の腸内細菌が含まれています。食物の残渣の主役は食物繊維です。従って食物繊維は糞便を作る大事な成分です。便秘は食物繊維の不足を示しています。同時に食物繊維は腸内細菌の重要な栄養源にもなります。不溶性食物繊維は糞便の嵩を増し、水溶性食物繊維は腸内細菌の大事な栄養源です。大麦は後で紹介しますように、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく含んでいますので、糞便の嵩を増す作用と腸内細菌の栄養源としての働きが期待できます。現在のところその効果を人で直接研究したデータはありませんが、大腸への作用は食物繊維一般に共通する作用ですので、大麦の大腸への効果も考えられます。
 食物繊維についてのこれまでの研究では、高血圧の改善、体内脂肪組織の減少、大腸機能を介する免疫機能、腸内細菌によるビタミンの合成、ミネラル類の吸収の促進などが報告されています。さらに最近、江頭さんらは食物繊維とがんの関係について発表された研究をまとめています
(6)。とくに以前から食物繊維は大腸がんを予防するという考え方が提起されていましたが、最近はこれを否定するような研究も出されています。結論は今後の研究に待たなければなりません。大腸がん以外についても今後の研究でさらに大麦の効果が検証されることを期待したいと思います。

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引用した文献
(2) S. Ikegami, M. Tomita, S. Honda, M. Yamaguchi, R. Mizukawa, Y. Suzuki, K. Ishii, S. Ohsawa, N. Kiyooka, M. Higuchi, S. Kobayashi: Effect of barley-rice-feeding in hypercholesterolemic and normolipemic subjects: Plant Foods for Human Nutrition, 49, 317-328(1996)
(3) T. Oda, S. Aoe, H. Sanada, Y. Ayano: Effects of soluble and insoluble fiber preparations isolated from oat , barley, and wheat on liver cholesterol accumulation in cholesterol-fed rats: J. Nutr. Sci. Vitanimol. 39, 73-79(1993)
(4) 佐藤寿一、大沢功、服部温子、押田芳治、佐藤祐造:食物繊維の糖代謝に及ぼす影響―健常者及び糖尿病患者を対象としてー:総合保健体育科学、13巻、75-78(1990)
(5) DJA. Jenkins, TMS. Wolever, J. Kalmusky, S. Gliudici, C. Giordano, GS. Wong, JN. Bird, R. Patten, M. Hall, G. Buckley, JA. Little: Low glycemic index carbohydrate foods in the management of hyperlipidemia: Am. J. Clin. Nutr. 42, 604-617(1985)
(6)江頭祐嘉合、長南治:食物繊維とがん:日本食物繊維学会誌、9巻、1-11 (2005)
 
 
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