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1.大麦で血中コレステロールが下がる

 大麦による生活習慣病予防に関する研究では、血中コレステロールの高い人たちに対する効果をみた研究がもっとも多く発表されています。その結果、米国では2006年に、「大麦食品や大麦成分が一定量以上含まれていると、血中コレステロールを低下させて、心臓病のリスクが下がる」ということをこれらの食品に表示して販売することが許可されました。
  日本人についての私たちの研究は4つのグループを対象として行いました(1,2)。いずれの研究も米粒麦と精白米を50%づつ含む麦飯を1日2回摂取しました。それぞれの結果は

1)血中の総コレステロール濃度が正常者な人々(1)
  正常な対象者は4週間、麦飯を摂取しましたが、血中総コレステロールに変化はありませんでした。

2)血中総コレステロールが高い中年男性(1)
  この研究では、麦飯は2週間摂取し、麦飯を中止後2週間目にも血中コレステロールを測定しました。その結果、血中コレステロールは平均で約10%低下しました。とくに血中コレステロールが高い人ほど良く下がることが分かりました。麦飯を止めて2週間後もまだ効果は持続していました。総コレステロール以外にLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)も低下しました。他方、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)とトリグリセリドには影響がありませんでした。

3)血中総コレステロールが高い閉経後女性(1)
  この研究では、麦飯は2週間摂取し、麦飯を摂取する1週間前、麦飯摂取直後、中止後1週間目に血中コレステロールを測定しました。その結果、精白米を摂取していた時期には血中コレステロールはまったく変化がありませんでしたが、麦飯摂取2週間後には、明らかに血中総コレステロールは9.8%低下しました。総コレステロール以外にLDL-コレステロールも低下しました。他方、HDL-コレステロールとトリグリセリドには影響がありませんでした。

4)血中総コレステロールが高い中高年男性(2)
  過去の3つの研究から、麦飯は血中コレステロールの高い人々では、効果的に総コレステロールが下がることが確認できましたので、さらに厳密に対象者を2つのグループに分け、麦飯と精白米のみを12週間摂取させて比較を行いました。その結果、麦飯群は精白米群に比べて血中総コレステロールとLDL-コレステロールが有意に低下しました。結果は図1と図2に示しました。


5)外国での研究(3)
私たちの研究論文の調査では、人によって大麦の血中コレステロール低下に関するものは18ありました。このうち4つの論文では総コレステロールやLDL-コレステロールに変化がないとしていますが、その他は全て低下を確認しています。4つのうち2つは健康な男女ですので、私たちの研究からも正常な人では影響がないのではないかと思います。研究は軽度の高コレステロール血症者を対象としており、コレステロールの高い人では大麦の効果があることはほぼ確実です。
大麦は麦飯のほか、シリアル、パン、麺類、飲料など様々な食品形態で摂取されています。
動物による研究は、ラット、にわとり、ハムスター、マウス、ぶたなどで血清総コレステロールのほかLDL-コレステロール、トリグリセリド、血糖値、遊離脂肪酸、内臓脂肪などでも効果が認められています。動物実験から糞中へのコレステロールや胆汁酸の排泄増加、あるいは体内におけるコレステロール合成に影響して、血中コレステロールが低下するものと推察されています。

6)なぜ麦飯は血中コレステロールを下げるのか
  私たちや外国の研究をまとめますと、血中コレステロールが高い人では大麦を摂取すると、総コレステロールやLDL-コレステロールが低下します。その効果は大麦中の食物繊維によるものと推察されます。しかし、血中コレステロールが正常な人では下がることはありません。
  大麦に含まれる食物繊維は食物中のコレステロールや胆汁酸が小腸から吸収されるのを抑えることが主な理由と考えます。胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料として作られて小腸に分泌されますが、小腸では脂肪や脂肪に溶けやすい食物中の成分が吸収するのを助ける成分です。役目を果たした後は小腸の末端から再び吸収されて肝臓に戻って再び小腸に分泌されます。これを数回繰り返すと吸収されずに、大腸に運ばれて糞中に排泄されます。コレステロールが体外に排泄される経路は唯一胆汁酸となることによります。大麦の食物繊維は胆汁酸が小腸から再び吸収される率を下げて糞中に出て行くので、体内のコレステロールが下がると考えられます。
  コレステロールは悪者にされますが、体には必要な成分です。食物にも含まれていますが、不足すると体の中でも作られます。健康な人ではそのバランスが取られていますが、脂質異常症(かっては高脂血症といわれた)になるとそのバランスがくずれて、血中のコレステロールが増えてきます。


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引用した文献
(1)S. Ikegami, M. Tomita, S. Honda ら:Effect of boiled barkey-rice-feeding in hypercholestrolemic and normolipemic subjects, Plant Foods for Human Nutrition, 49巻, 317-328(1996)
(2)C. Shimizu, M. Kihara, S. Aoe, S. Araki, K. Ito, K. Hayashi, J. Watari, Y. Sakata, S. Ikegami: Effect of high β-glucan barley on serum cholesterol concentrations and visceral fat area in Japanese men―A randomized, double-blinded, placebo-controlled trial, Plant Foods for Human Nutrition, 63巻, 21-27(2008)
(3)荒木茂樹、伊藤一敏、青江誠一郎、池上幸江:大麦の生理作用と健康強調表示の現況、栄養学雑誌、67巻、235〜251頁(2009)
 
 
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