『第4回日米食用大麦ラウンドテーブル』に参加いたしました

■日時 2009年11月6日(金)  10〜12時  
■場所
 ホテル・インターコンチネンタル東京ベイ


平成21年11月6日、大麦食品推進協議会は、アメリカ穀物協会主催の日米食用大麦ラウンドテーブルに参加いたしました。
ラウンドテーブルでは、米国における食用大麦の生産状況や健康強調表示の現状、また、全米大麦食品協議会(NBFC)の活動内容等の説明を受けました。日本側からは、大麦食品推進協議会の活動および、日本における大麦β−グルカンの研究の現状について報告し、日米間で意見交換を行いました。

大麦食品推進協議会 副会長 長澤重俊 
現在、日本では食用大麦の消費はやや減少している。当協議会からも、大麦が食生活の改善に貢献していることをアピールしているが、日本では、古来から米に
として加えて食する習慣があり、米の消費低下が、食用大麦消費低下の要因となっている。今回全米大麦食品協議会のメンバーと情報交換を行い、大麦のもつポテンシャルを再確認し、日本における大麦食品の需要喚起の材料としたい。

アメリカ大使館主席農務官 ジェフ・ノーン
今回のアメリカ穀物協会と大麦食品推進協議会との交流は、米国からの食用大麦の輸出が伸びるダイナミックな機会と考えている。歴史的に見ると、エジプトでは1万年ほど前から大麦は食用として栽培されており、米国ではコロンブスのアメリカ発見時に持ち込んだとされている。近年、我が国では、FDA(アメリカ食品医薬品局)が大麦のβ−グルカンに対して健康強調表示の許可を2006年に認めて以来、食物繊維やミネラルの面から、大麦の健康に対する効果が、一般に認識されつつある。日本には約1億人の人口があり、しかも健康志向が高く、高収入であることから、今後の日本における食用大麦の市場は、無限大と考えている。今回のラウンドテーブルが実り多いものであることを期待している。

全米大麦食品協議会理事 メアリー・パルマー・サリバン
米国の大麦食品について報告する。 我が国の食用大麦には、モチ性皮麦、モチ性裸麦があり、β−グルカン含量は、それぞれ、6.0−9.0%、5.5−14%の分布である。2006年FDAにより、「心疾患リスクを低下できる可能性がある」との健康強調表示が許可された。食用大麦は、β−グルカンを水溶性繊維源として、全粒、フスマ、フレーク、粉、グリッツ、粕、精白大麦等を用いて製品化されている。心臓病以外には、血圧低下、糖尿病改善、体重管理に対する効果が報告されている。
 全米大麦食品協議会は、1989年に設立された食用大麦の総体的な教育および振興に取組むNPOで、大麦の栄養特性および調理特性について、消費者、食品業界、栄養士等の意識向上を図ることを目的としている。会員には、アメリカ北西部の大麦生産州の生産者団体を含んでいる。全米大麦食品協議会は、ホームページによるオンライン教育を進めており、そのサイトの1ヶ月の平均ヒット数は、38万回である。その他に、活字媒体およびオンライン媒体による消費者教育や、栄養専門家向けの栄養成分情報の配布を行っている。また、民間企業への広報活動も行っており、全粒穀物協会の「全粒入り」とのシールを配布しているが、現在14カ国、約3,000種類の商品に当該シールが貼られている。
 米国において、今のところ、心臓病のリスク低下の健康強調表示が認められているのは、大麦だけであり、シリアルのQuaker社やKellogg社、スープのCampbell社等の大手メーカーを始め、多くのメーカーで製品に健康強調表示がなされている。さらに、米国の消費者には、「全粒穀物はすべてよい」との認識が広がりつつある。新製品として、Cargill社のβ−グルカンを含んだジュース系飲料も上市されており、大麦食品の更なる消費拡大が期待される。
 参考:http://www.barleyfoods.org

大麦食品推進協議会 事務局 馬木紳次
大麦食品推進協議会は、大麦食品の普及によって国民の健康増進に寄与することを目的に、2005年7月に設立され、現在2
社1団体が会員となっている。
 本年の活動状況は、以下である。
 @大麦食品シンポジウム開催
  2009年9月東京で、管理栄養士、栄養士等を対象に実施。約100名参加
 A協議会ウェブサイトによる大麦食品を使ったレシピ募集
  2009年9月より開始
 B日米食用大麦ラウンドテーブルへの参加
  2009年11月 東京にて開催(本報告参照)
 C大麦の生理作用等に関する「総説」の作成及び栄養学雑誌投稿
  2009年11月掲載


株式会社ADEKA 新規事業推進室 石川京子
株式会社ADEKAは、1917年に化学品と食品の製造メーカーとして創業し、旭電化工業株式会社から2006年5月に現在の社名に変更した。現在は、IT分野・フォトニクス、自動車関連分野からバイオ・食品分野まで幅広く事業を展開する化学と食品の中間素材メーカーである。
バイオ・食品分野での主なターゲットのひとつは、β−グルカンであり、大麦β−グルカンと黒酵母由来β−グルカンを製造・販売し、その機能性を研究している。現在確認されている大麦β−グルカンの生理機能性は、@心臓病のリスク低減 A糖尿病の予防効果 B体重低減を促進 C免疫系機能を増進することである。
当社では、大麦β−グルカンの新たな生理機能性や、そのメカニズムの研究等、以下のようなターゲットについて研究を進めている。なお、当社は2008年2月に、大麦β−グルカンが受容体デクチン−1との結合することで、免疫細胞を活性化することを解明し、発表している。
@ U型糖尿病モデルマウスでの糖尿病予防効果   
A 抗アレルギー効果(IgA抗体産生)
B 食物アレルギーによる肝臓障害の軽減効果
C 大麦βグルカンと黒酵母由来βグルカンの相乗効果
D 大麦βグルカンと乳酸菌の相乗効果
E メカニズム解析(受容体研究)
参考:http://www.adk.co.jp/

事務局の感想
米国においては、全穀物また全大麦生産量から見れば、食用大麦の消費は少ないが、全粒の穀物が健康によいことが認知され始め、さらに、大麦β−グルカンの健康強調表示を利用した全米大麦食品協議会のPR活動も追い風になり、食用大麦の消費が徐々に増えているとのことである。これを参考に、国内において、大麦食品推進協議会も、麦ごはんだけでなく、レシピの紹介等、大麦食品利用の機会が増えるように、一般消費者向けの啓蒙活動を進めていきたい。

  大麦食品推進協議会 
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