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大麦イベント情報

2009.04.16

『大麦・はだか麦の消費拡大と安定生産に関する対話集会』開催レポートをアップしました

『大麦・はだか麦の消費拡大と安定生産に関する対話集会』を共催いたしました

■日時 2009年3月24日(火)  13時30分~16時30分  
■場所 ホテル・ニューイタヤ(宇都宮)


平成21年3月24日、大麦食品推進協議会は、農林水産省主催の「大麦・はだか麦の消費拡大と安定生産に関する対話集会」を、生産者団体等と共催いたしました。
近年、大麦・はだか麦については、健康食品等向けの需要が拡大しております。このような新たな需要創出や、安定生産に向けた意見交換を目的に、今回大麦の一大生産地である栃木県で、大麦対話集会が開催されました。
大麦食品推進協議会からは、池上会長の「大麦とメタボリックシンドローム」また、浅沼会員(大麦工房ロア)の「新たな大麦の需要」に関する講演が行われました。
以下、概要を報告いたします。

大麦食品推進協議会 会長 池上幸江
「大麦とメタボリックシンドローム」
 

メタボリックシンドロームとは
 平成17年にメタボリックシンドロームの診断基準が日本の医学関係8学会によって発表され、その後社会的な関心は急激に高まっています。平成18年の厚生労働省による調査では40~74歳の男性では半分はメタボリックシンドロームが強く疑われるか、予備軍であることが明らかにされ、該当者は平成18年当時で1940万人と推定されています。
 メタボリックシンドロームとは内臓脂肪症候群とも言われるように、腹部に多量の脂肪が蓄積すると、脂肪細胞から分泌される様々なアディポサイトカインの量に変化が起こります。その結果、脂質異常症、高血圧症、インスリン抵抗性から糖尿病などが惹起され、腹部肥満が生活習慣病の主原因になることが明らかにされてきました。この原因は過食と身体活動の低下にありますが、過食は単なる食事量の問題だけではなく、日常的な食事内容が不適切であることも考える必要があります。このため、平成20年からはメタボリックシンドロームを基本とした特定検診・特定保健指導の制度が導入されて、一般の人々の関心は極めて高くなっています。

穀類摂取と生活習慣病予防
 先進諸国では穀類は一般的に未精白で摂取することが推奨されています。例えば、米国、オーストラリアでは未精白の穀類摂取を推奨し、英国ではでんぷんと食物繊維の多い食事を推奨しています。これらの国々が推奨する理由は食物繊維摂取を確保し、生活習慣病を予防するところにあります。欧米の疫学研究では未精白穀類や穀類からの食物繊維摂取量が多い人々では心臓病の発症率・死亡率、あるいは糖尿病の発症率が低いことが明らかにされています。メタボリックシンドロームとの関係では研究例はわずかですが、徐々に増えてきています。
 わが国でも国の示す各種の食生活指針では、穀類、とくに米を摂取することを推奨しています。しかし、米を未精白で摂取することについてはふれていません。その結果、わが国では食物繊維の摂取は他の先進諸国と比べても低くなっています。

大麦の生活習慣病予防効果
 大麦の健康上の有効性についてはこれまで多くの研究が報告されています。もっとも多くの研究は、高脂血症者の血中コレステロールを低下させる効果です。これまでの研究データに基づいて、2006年米国では大麦食品に血中コレステロールを低下し、心臓病のリスクを下げることを表示することを認めました。さらにスウェーデンやフィンランドでも表示が認められるようになっています。ヨーロッパはこうした表示(健康強調表示)についてEU加盟国全体として統一した制度の準備を進めており、現在大麦やこれを用いた食品が審査対象となっています。
 その他に大麦は、食後血糖値が精白米の場合などに比べて低いこと、大腸内環境を整えるなどの降下も明らかにされています。また米国での研究では、高血圧者の血圧低下も確認されています。

大麦の食物繊維
図1には各種穀類中の食物繊維量を示しました。米では玄米でも食物繊維含量が少なく、精白すると食物繊維が極めて少ないことが分かります。これに対して大麦は精白をしても、食物繊維含量は精白米の20倍にもなります。精白した大麦の食物繊維は胚乳部分にβ-グルカンといわれる水溶性食物繊維が含まれています。米国の表示許可の根拠は、β-グルカンによるコレステロール低下作用です。また、β-グルカンは胚乳部分のでんぷんの消化を抑制することから血糖値が上がりにくいのではないかと思われます。しかし、大麦にはその他の食物繊維も含んでいますので、有効性成分をβ-グルカンだけに限定することは問題があるかもしれません。

メタボリックシンドロームに対する効果
 以上のように大麦の有効性はこれまでコレステロールなどの個々の生体指標で確認されてきました。これらの指標はメタボリックシンドロームと深い関係があります。そこで、私たちはまず動物実験によって、脂肪組織に対する大麦の効果を確認しました。肥満を起こしやすい動物では、脂肪の蓄積に伴って脂肪細胞は肥大化してきますが、大麦を摂取させると脂肪細胞が白米を摂取した動物より小さく、体脂肪量も少ないことを確認しました。そこで、人での確認のために、コレステロール高めの男性に5割の麦飯を1日2回、12週間摂取してもらいました。その結果、血清総コレステロール、LDL-コレステロールの低下とともに、内蔵脂肪面積、胴回り、体重、BMIが有意に低下しました。
 これらの結果はこれまでの私たちの研究や米国などでの研究から、血中コレステロールや血糖値調節に対する大麦の効果は、メタボリックシンドロームに対する有効性と関連があることを示していると思われます。
麦ごはんは主食として大麦を日常的に摂取することができ、日本食の良さを生かしながら食物繊維を確保できる優れた方法です。他方、大麦は様々な食品や調理にも応用ができるすぐれた素材でもあります。大麦の良さをもっと広く知っていただきたいと思います。

(株)大麦工房ロア代表取締役社長 浅沼誠司
「新たな大麦の需要」 
菓子に関わるようになりまして、生まれ育った足利の麦畑を見たとき、大麦の菓子を作ろうと思い立ちました。栃木県は日本一の大麦生産地であり、地元産の大麦を原料とすることにこだわり、新製品開発に挑戦しました。大麦の菓子つくりを始めたましたときには、大麦の精麦、焙煎、粉砕等、原料つくりに関しては、素人であり、基礎知識もありませんでした。当時、既成概念を持たずに、いろいろ試行錯誤して、納得できる原料を作ることから製品開発を始めたことが、その後の商品開発のよい経験になっています。今後は、新たな大麦の加工法の提案を行い、大麦製品の普及に努め、国産大麦の需要をさらに高めたいと思います。

*発表資料はこちらをご覧下さい>>

事務局の感想
今回の対話集会は、育種関係者、生産者、生産団体、加工業者、加工団体、消費者および行政関係者と、大麦食品のバリューチェーンをつなぐ関係者が一同に会し、単なる一方的な情報提供ではなく、関係者が対話する集会となりました。大麦食品推進協議会もこのバリューチェーンの一員として、国産大・はだか麦のさらなる消費拡大につとめ、国民の皆様の健康増進に貢献したいと考えております。

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