大麦たべて、すこやかファミリー 大麦食品推進協議会

トピックス

  • PR情報
  • 大麦イベント情報
  • 協議会会員情報
  • 大麦の健康最新情報

大麦イベント情報

2006.11.20

『第3回 大麦食品シンポジウム』 開催レポートをアップしました

第3回 大麦食品シンポジウム 『メタボリックシンドロームと大麦食品』
~農林水産省後援~ を開催しました
 
大麦食品推進協議会では、2006年11月7日(火)、東京都渋谷区で、大麦食品シンポジウムを開催しました。
3回目の今回は、話題のメタボリックシンドロームをテーマに、その予防や改善に大麦食品が果たす役割について考え、さらに、家庭での食生活に手軽に大麦を取り入れる方法についても取り上げました。

開催プログラム

1.日  時11月7日(火)午後2時~5時
2.会  場恵比寿ガーデンプレイス内 サッポロビール(株)
1階講堂
3.参加者230名
4.内  容
<第1部> 午後2時~
●主催者代表挨拶
  大麦食品推進協議会副会長

(株)はくばく 社長 長澤重俊

  ※内容についてはこちらをご覧下さい >>
●講演 1
「メタボリックシンドロームと食物繊維」
  日本生活習慣病予防協会理事長
  日本食物繊維学会理事長
  タニタ体重科学研究所所長 池田義雄

  ※内容についてはこちらをご覧下さい >>
●講演 2
「生活習慣病予防は大麦で!!」
  大麦食品推進協議会会長
  大妻女子大学 家政学部 教授 池上幸江

  ※内容についてはこちらをご覧下さい >>
<休憩>
  ※大麦食品推進協議会会員各社の展示
<第2部> 午後4時10分~
●講演とデモンストレーション
「美味しい大麦食(ダイエット)」
  株式会社 食(ダイエット)デザイナーズ 主宰
  平野美由紀
  ※内容についてはこちらをご覧下さい >>


第3回 大麦食品シンポジウム 『メタボリックシンドロームと大麦食品』
●主催者代表挨拶
大麦食品推進協議会副会長
(株)はくばく 社長 長澤重俊

ただいまご紹介いただきました、株式会社はくばくの長澤と申します。
当協議会の副会長という立場で、主催者を代表して一言ご挨拶を述べさせていただきます。本日はお忙しいところ、こんなに大勢の方にお集まりいただき、誠にありがとうございます。また食に関心を持ち、自ら進んで参加された女性の方々が多いことは、さらにうれしいことであります。

さて、この大麦食品推進協議会は、昨年の7月に設立されました。大麦の研究を20年以上、食物繊維の観点から研究され、大麦に対する深い愛情と造詣をお持ちの池上先生と、ビールの主要原料であり、その育種という観点から深く大麦に取り組んでこられたサッポロビールさん、そして我々、大麦を削って麦ご飯にしたり、麦焼酎の原料としたりする精麦業界が「もっと大麦を食べてもらいたい」という共通の思いで手を結んでできたのが、この協会です。

昨年の7月の設立以来、当協議会としてさまざまな活動を行ってまいりました。このシンポジウムも昨年の10月東京、今年の7月金沢と続き、今回で3回目を迎えました。このほかにも大麦を使った料理教室「oh!麦であーん」の開催、岡山大学生物化学研究所の見学、またアメリカの研究者との技術交流会などを行ってまいりました。お蔭様で徐々にではありますが、確実に大麦の関心の輪が広がってきている手ごたえがあります。

ここで声を大にして申し上げたいことは、大麦はものすごく可能性を持った穀物だ、ということです。昨年の12月にはアメリカのFDAが大麦にもヘルスクレームを認めました。心疾患の予防に効果がある、というお墨付きをアメリカ政府からいただいたわけです。これ以外にも、血糖値を下げる働き、血中コレステロールを下げる働き、ダイエット、便秘への効果などまだまだ良い効果はあると思います。

また、毎日継続して食べられる穀物である、という点が良い点であることも見逃せません。しかし現実は800万トンのお米の消費に対して、2万トンという消費の少なさ。これが本当にさびしい現実です。私どもはこの状態を大きく変化させて、大麦をもっと多くの方に、もっといろいろな食べ方で豊かに食べてもらって、健康になっていただきたいと心から願っております。

本日は大麦の良さをメタボリックシンドロームとの関係でお話をいただけることになっております。短い時間ではありますが、大麦の世界に接していただき、少しでもご理解していただければと存じます。そして今日から大麦の応援団の一人になっていただければ、さらにありがたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。



第3回 大麦食品シンポジウム 『メタボリックシンドロームと大麦食品』
●講演 1 「メタボリックシンドロームと食物繊維」
日本生活習慣病予防協会理事長
日本食物繊維学会理事長
タニタ体重科学研究所所長 池田義雄

ライフスタイルの変化がメタボリックシンドロームを誘発

本日は「メタボリックシンドロームと食物繊維」という演題でお話します。
メタボリックシンドロームに関する認知が高まり、皆様は、言葉は聞いたことがあると思います。しかし、中身はどうかというとまだよくご存知でない方もいらっしゃると思います。

「貧乏人は麦を食え」の時代から56年が経ち、痩せ型の体型から肥満型の体型の人が増えました。この背景には、飽食、高脂肪食、食物繊維不足、都市化、機械化、運動不足などのライフスタイルの変化があります。
昨年4月に我が国におけるメタボリックシンドロームの定義とその背景が発表されました。それによりますと、メタボリックシンドロームはインスリン抵抗性(インスリンが利き難い症状)、動脈硬化惹起性(動脈硬化が起きやすい)、リポ蛋白異常(善玉のコレステロールが少ない)、血圧高値を個人に合併する心血管病(脳卒中や心臓病)が発病しやすい状態であると定義できます。

また、メタボリックシンドロームは、高コレステロール血症に対する対策がほぼ確立された現在、心血管病の重要なターゲットとなっていることに加え、ライフスタイルが関与する多くの病態を含むことから、多数の分野から注目されています。メタボリックシンドロームを疾患概念として確立する目的は、飽食と運動不足によって生じる過栄養を基盤に、益々増加してきた心血管病に対して、効率の良い予防対策を確立することであります。

メタボリックシンドロームは肥満から始まる

日本人の死因の第1位はガンで、毎年約30万人の人がガンで亡くなっています。動脈硬化はどうかというと、心疾患と脳血管疾患で、合わせるとガンとほぼ同等の人が亡くなっています。それ故、我が国において心血管病に対する対策が重要になっています。

本年5月に、メタボリックシンドロームに関するデータが発表されました。それによりますと、40代以上の男性では、予備軍を含めると約半数がメタボリックシンドロームに該当し、女性でも5人に1人が該当するという結果であり、一層ないがしろにできないという認識が高まりました(厚生労働省 平成16年国民健康栄養調査結果)。

メタボリックシンドロームは、遺伝要因に加えて、飽食、運動不足、ストレス、過剰な飲酒、喫煙などの日々の悪い生活習慣が色濃く影響するというのが特徴です。そして肥満になり、さらに肥満に誘導される形で高血糖や高血圧になるのがメタボリックシンドロームであり、さらに発病すると死の四重奏という、極めて危険な状態になるわけであります。

メタボリックシンドロームは肥満から始まるので、20代に比較して1割以上体重が増加している人は要注意です。また、危険なのは内臓脂肪型肥満(腹腔内に脂肪が蓄積)で、その目安は腹囲でみます(男性85cm以上、女性90cm以上)。内臓脂肪の蓄積は、男性は20代から、女性は閉経後に多く見られます。

肥満であるかは、BMI、体脂肪率、腹囲で判定できます。
■BMI = 体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m 
  22前後(18.5~25未満)は普通体、BMI 25以上は肥満
■体脂肪率(%Fat)から見た肥満
  肥満域は男性25%以上、女性35%以上
■腹囲(へその部分で測定)
  肥満域は男性85cm、女性90cm以上
内臓脂肪型肥満であるかを正確に調べる場合は、へその位置でのCTで断面を見ます。こうして内臓脂肪の面積を見ますと、内臓脂肪が多いほど、健康障害の合併数が多くなります。

食生活の改善でメタボリックシンドロームを予防

生活習慣の偏りから、内臓脂肪が蓄積されると、代謝の異常や内臓脂肪からの分泌の異常が引き起こされます。そして遺伝的要因が重なると高脂血症や高血圧症、糖尿病が誘発され、やがて動脈硬化が引き起こされ、脳卒中や心筋梗塞になるという構図です。従って、メタボリックシンドロームの予防には、生活習慣の偏りをなくし、肥満を予防することで、代謝の異常を是正し、脂肪の分泌物を正常化させることです。

先ずは、情報として体組成計などを活用し、我が身をよく知っていただきたい。その上で食生活の改善を図っていただきたいと思います。

メタボリックシンドローム予防のためには、野菜や果物という食物繊維の多い食材を適切に確保していくことです。野菜を1日350g、このうち緑黄野菜は120g以上摂ることが推奨されています。これによって、ビタミン、ミネラル、食物繊維が適量に確保できます。大麦は食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富なので好ましい食材です。

食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、大麦には水溶性の繊維が多いのが特徴です。食物繊維には糖尿病を予防するというデータが数多くありますが、特に水溶性繊維には糖尿病の予防効果があります。

メタボリックシンドローム予防のための生活指針は以下のとおりです。
1. 「多種少食」のすすめ
2. 穀類+一汁三菜、果物、乳製品方式
3. 2本の足は二人の医者
4. アルコールについては、少酒を旨とする
5. タバコは吸わない
6. 快眠で疲労、ストレスを防ぐ
7. ベストウエイトを保つ(内臓脂肪を貯めない)

これを覚えやすくした「一無、二少、三多」を推奨します。
■一無 禁煙のすすめ
■二少 腹七、八分目の少食と「酒は微酔」の少酒のすすめ
■三多 多動、多休、多接(ストレスを溜めないため多くの人と接する)のすすめ
今日は先ずはこれを覚えてお帰りいただきたいと思います。

池田義雄先生のホームページです。

日本生活習慣病予防協会のホームページです。

第3回 大麦食品シンポジウム 『メタボリックシンドロームと大麦食品』
●講演 2 「生活習慣病予防は大麦で!!」
大麦食品推進協議会会長
大妻女子大学 家政学部 教授 池上幸江

日本人の食物繊維摂取の実態

図1には日本人の食物繊維摂取量の変化を示していますが、この図から次のようにまとめることができます。
① 1950年代から今日まで食物繊維の摂取量が低下している。
② とくに食物繊維の摂取量の低下は穀類からの食物繊維の低下が大きな原因である。
③ 食物繊維の摂取量は現在でも野菜と穀類が重要な給源である。
その結果、日本人の食物繊維摂取量は健康維持に必要とされている食物繊維量(目安量といわれる)の70%程度しか摂取されていません。日本人に最も不足している栄養素と言えます。また、高齢者では比較的食物繊維の摂取量は多く、若い世代では摂取量が低くなっています。

日常の食生活で食物繊維をどう摂ればよいか

食物繊維はその種類や性質によって、生理作用が異なりますが、日常の食生活では野菜と穀類から食物繊維をしっかり摂るように心がけることが重要です。野菜と穀類は日常たくさん食べられる食品類ですので、それらの摂取量を増やすようにすることと、できるだけ食物繊維の多い食品を選ぶようにすれば、食物繊維を十分に摂ることは決して難しいことではありませんが、現在わが国では穀類や野菜の摂取量が低下していますので、これが食物繊維摂取の低下の大きな原因です。

穀類の食物繊維の重要性

最近の大規模な疫学研究(大勢の人を対象として食生活と健康状態について調べる研究)では食物繊維を十分に摂取している人では血中のコレステロールが低く、心臓病による死亡率が低いこと、さらに糖尿病になりにくいことも明らかにされています。とくに穀類からしっかり食物繊維を摂取している場合には、心臓病や糖尿病などの死亡率や発症率が低くなります。
最近発表された研究では、穀類の食物繊維がメタボリックシンドローム予防に有効であるかもしれないことを示すようなデータが発表され始めています。例えば、穀類からの食物繊維摂取量が多い場合には体重、血中のインスリン、インスリン感受性、アディポネクチン濃度が適正に保たれるようです。

大麦食品の食物繊維の生理作用と疾病予防 

図2は各種穀類の食物繊維含量を示しています。米は玄米でも食物繊維含量が低く、精白すると、さらにその含量は低くなります。小麦は未精白の全粒では食物繊維が多いのですが、精白すると含量はかなり低下します。これに対して、大麦は精白しても食物繊維の含量はあまり変わらず、精白米の約20倍の食物繊維を含んでいます。
さらに大麦の食物繊維はきわめて生理作用が強く、食後の血糖値が上がりにくい、高脂血症の方の血中コレステロールを下げる効果があります。図3は高脂血症の男性20名が2週間、1日2回の麦ご飯を食べた時の血中コレステロールの変化を示しています。総コレステロールとLDL-コレステロールが2週間後に低下しました。閉経後の高脂血症の女性でも同じような効果を確認しています。

米国FDAが大麦の健康効果を認める

米国では、生活習慣病のリスクを下げる効果のある食品について、その効果を食品に書くことが認められています。これまでに14種の食品が許可されています。食塩の少ない食品、カルシウムの多い食品、緑黄色野菜、複数の食物繊維、大豆タンパク質などです。今年5月、これまで血中コレステロールを下げる効果や心臓病予防を助ける食品としてオート麦が許可されていましたが、これに大麦が追加されました。FDAは我が国では旧厚生省に当たる政府組織ですから、大麦の健康効果をアメリカ政府が認めたことになります。

なぜ大麦に健康効果があるのか

FDAは大麦の健康効果は大麦に含まれるβ-グルカンといわれる食物繊維にあると判断しています。大麦のβ-グルカンは大麦粒に広く分布していますので、大麦中のデンプンの消化を邪魔することで血糖値を上がりにくくしたり、コレステロールをくっつけて糞中に排泄することで血中コレステロールを下げるものと思われます。

メタボリックシンドロームと大麦

メタボリックシンドロームに対する大麦食品の効果を示した研究は、現在までのところ発表されていません。メタボリックシンドロームは肥満を原因として高血圧、糖尿病、高脂血症などと関わる疾患です。アメリカの研究者たちは大麦食品では血圧が低下することを示しています。これまでのコレステロールを下げる効果、血糖値が上がりにくい作用などを考えますと、メタボリックシンドロームの予防効果は十分可能性があると思います。私たちは動物実験から食物繊維が脂肪細胞を小さくする効果のあることを明らかにしていますので、大麦についてもこうした効果があることは十分に予想されます。今後大麦のメタボリックシンドローム予防効果について研究をすすめていきたいと考えています。
大麦は他の穀類に比べて際だった生理作用を持っています。それは大麦中の食物繊維によるところが大きいと思われます。大麦は麦ご飯で摂取するのが、もっとも簡単で効果的な食べ方ですが、麦ご飯に拘らずに、様々な方法で利用して頂きたいと思います。



第3回 大麦食品シンポジウム 『メタボリックシンドロームと大麦食品』
●講演とデモンストレーション 「美味しい大麦食(ダイエット)」
株式会社 食(ダイエット)デザイナーズ 主宰 平野美由紀

平野先生の講演とデモンストレーションの内容につきましては、「大麦探検島」の「大麦亭」の中でご紹介していきます。

図1 日本人の食物繊維摂取量の変化
図2 各種穀物の食物繊維含量
図3 高脂血症者における麦ごはん摂取後の血中コレステロールの変化(男性の場合)
ページtopへ